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何千年たっても変わらないこと

遠い遠い昔のことです。 お釈迦様が生きていた時代ですから、 紀元前5世紀ごろでしょうか。 祇園精舎に 周利槃特という人がいました。 このひとは 何を聞いても忘れる人で、 自分の名前すら忘れるほどでした。 今であれば『知的障害者』と呼ばれていたかもしれません。 一方、 周利槃特のお兄さんである摩訶槃特は すこぶる頭のいい人でした。 学問にも秀で、 お釈迦様のお弟子さんの間でも 一目おかれる存在だったそうです。 周利槃特に 仏門に入ることを進めたのは お兄さんでした。 しかし、周利槃特は いつまでたってもお経を覚えることができないばかりか、 騒動を引き起こしてばかりいました。 その 後始末のために、 摩訶槃特は 毎日のように 走り回らなければなりませんでした。 

そんなある日、 悲しいことが起こりました。 摩訶槃特が、 『 お前がいては 迷惑がかかるばかりだから、 ここを去れ 』 と言って、 周利槃特を 祇園精舎から 追い出してしまったのです。 途方にくれた 周利槃特は、 門の外で  ただひとり泣くばかりでした。 しばらくすると、 そこを お釈迦様が 通りかかりました。 周利槃特を 目に留めたお釈迦様は、 そっと近づいて こう語りかけました。 『 お前には お前の道がある。 明日からこの言葉を唱えながら 掃除をしなさい 』 そして、 『 塵を払わん、 垢を除かん 』 という言葉と ほうきを与えたのです。 

祇園精舎に連れ戻された周利槃特は、 来る日も来る日も この言葉を唱えながら ほうきで掃き続けました。 はじめは、 誰もその姿に 見向きもしませんでした。 しかし、 時がたつにつれ、 ひとり またひとりと 周利槃特のもとを訪れる人が増えていきました。 その一心に掃除をする姿が尊く 思わず手を合せたくなるほどだったからです。 そして お釈迦様は 無言で説法できるものとして、 周利槃特を 修行最高段階の地位と言われる 16羅漢の一人に選んだのでした。 

この お話をされたご住職は 私の目をまっすぐに見つめながら こうおっしゃりました。
人間の幸せは、 モノやお金ではありません。 
人間の究極の幸せは 『 人に愛されること 』  『 人に褒められること 』  『 人の役に立つこと 』 そして 『 人から必要とされること 』  この4つなのです。 


( 出展 利他のすすめ 日本理化学工業会長 大山泰弘 WAVE出版 )

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by natuyasumi2010 | 2012-02-23 12:07 | 推薦図書